歌手:石田燿子
作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也
黒い太陽が
沈まぬ街で
誰もが黙って
奇術めき働く
金属の壁に
囲われた部屋
私は朝まで
死んだように眠る
あなたが見えない
この眼は見えない
我ら造りたまいし神
コッペリアの柩
人は踊り疲れた人形
祭壇の羔
機械仕掛けの夢は
どこに向かってゆく
世界の終わりを
予言が告げる
隣人の扉を
兵士たちが叩く
幾千の指が
翼のように
折られ畳まれて
祈りだけが昇る
あなたに会えない
ここでは会えない
我ら救いたまえる神
コッペリアの柩
流れる涙はもう枯れ果て
血に飢えた孤独
死は天使の和毛の
匂いをさせて舞う
それでも触れたい
この手で掴みたい
我ら護る唯一の愛
コッペリアの鼓動
生きることは痛みを知ること
脱ぎ捨てた靴を
もう一度踏みならし
迷わず歩き出す
コッペリアの柩
暗闇から目覚める光よ
祭壇の羔
螺旋の途切れた夢は
どこに向かってゆく